10 暗号文
勇者マゼルからの相談。
ウーヴェが仲間に入る前。
この前入った遺跡でなんか変な文字と言うか、記号? の羅列があったんだよねー。と言うマゼル。
ほー、と言いながら、憶えてるか? と聞けば覚えてるよー。と言うマゼル。さすがだな。と言いつつ書いてもらったものを見るヴェルナー。なんとなく規則性がありそうな感じである。
「暗号、か?」
「暗号、なにそれ」
そんなんあったか?と思いつつ、ゲームでは容量がなかったところか、現実との差異か? と思いつつ暗号の説明をざっとするヴェルナー。
「それじゃ、これも何らかの文になっているってこと?」
「もしかしたらな」
とはいってもあんまり俺も詳しくないんだけどな。
踊る人形ぐらいだぞ、知ってるの。たしか、一番使われているものを抽出して……。
ちなみにこの世界の言語は英語に近い系統の単語を使っていて、アルファベットの26文字だ。
「で、一番使われているのはeだから、これをeに置換する」
「うん、うん」
「あと冠詞を置換」
「これだね」
「それに合わせて該当する文字を置換して」
「そこから推測される単語を変換していくんだね!」
「だな」
「……右から四つ、左から三つ、右から二つ。最後に、右から六つ目を引っ張る?」
「そうなるな。心当たりは?」
そう言えばダンジョンの一つに奇妙な模様と言うか模様? オブジェクトがあったな。容量がなかったところか。と思いつつ聞けば、スイッチの様になっている場所があった。
経過しつつ押したけど何もなかった。と言うマゼルに、そこにもう一度行けたら試してみたらどうだ? と言うヴェルナー。
「だね」
五人での連携をもう少し高めたいからまだ通うつもり。と言うマゼル。
「それにしてもすごいな、ヴェルナーは」
「解き方を知っているだけだ。マゼルももう解けるだろ」
「僕はまず意味があるものだって思いもしなかったもの」
「あーまぁなぁ」
こいつも結構、なんだかんだ言って脳筋だもんな。と思いつつ、親友とのひと時を楽しむ。
後日、「ラウラから聞いた」と、ヴェルナーのもとに王太子から古代文明の暗号文が多数持ち込まれるのだが、それはまた別の話である。
ちなみに解き方を教えたら優秀な人たちなので、割とあっさりヴェルナーの手から離れた。
中には踊る人形みたいなのもあったので「制作陣のお茶目? いやまさかなぁ」と思ったりもしたそうな。
ちなみに遺跡では隠し部屋が出現し、お宝(へそくり的な)ものが見つかったそうな。
同じ暗号で書かれている本があり、何かと思ったら黒歴史系の日記であることが分かったとか。古代人も大して変わらんのな。とヴェルナーは思ったとか。
文章は下記を想定。
Four from the right, three from the left, two from the right. Finally, pull the sixth one from the right.