2024年1月5日金曜日

安楽椅子探偵ヴェルナー10


 10 暗号文

勇者マゼルからの相談。

ウーヴェが仲間に入る前。



この前入った遺跡でなんか変な文字と言うか、記号? の羅列があったんだよねー。と言うマゼル。

ほー、と言いながら、憶えてるか? と聞けば覚えてるよー。と言うマゼル。さすがだな。と言いつつ書いてもらったものを見るヴェルナー。なんとなく規則性がありそうな感じである。


「暗号、か?」

「暗号、なにそれ」


そんなんあったか?と思いつつ、ゲームでは容量がなかったところか、現実との差異か? と思いつつ暗号の説明をざっとするヴェルナー。


「それじゃ、これも何らかの文になっているってこと?」

「もしかしたらな」


とはいってもあんまり俺も詳しくないんだけどな。

踊る人形ぐらいだぞ、知ってるの。たしか、一番使われているものを抽出して……。

ちなみにこの世界の言語は英語に近い系統の単語を使っていて、アルファベットの26文字だ。


「で、一番使われているのはeだから、これをeに置換する」

「うん、うん」

「あと冠詞を置換」

「これだね」

「それに合わせて該当する文字を置換して」

「そこから推測される単語を変換していくんだね!」

「だな」


「……右から四つ、左から三つ、右から二つ。最後に、右から六つ目を引っ張る?」

「そうなるな。心当たりは?」


そう言えばダンジョンの一つに奇妙な模様と言うか模様? オブジェクトがあったな。容量がなかったところか。と思いつつ聞けば、スイッチの様になっている場所があった。

経過しつつ押したけど何もなかった。と言うマゼルに、そこにもう一度行けたら試してみたらどうだ? と言うヴェルナー。


「だね」


五人での連携をもう少し高めたいからまだ通うつもり。と言うマゼル。


「それにしてもすごいな、ヴェルナーは」

「解き方を知っているだけだ。マゼルももう解けるだろ」

「僕はまず意味があるものだって思いもしなかったもの」

「あーまぁなぁ」


こいつも結構、なんだかんだ言って脳筋だもんな。と思いつつ、親友とのひと時を楽しむ。

後日、「ラウラから聞いた」と、ヴェルナーのもとに王太子から古代文明の暗号文が多数持ち込まれるのだが、それはまた別の話である。


ちなみに解き方を教えたら優秀な人たちなので、割とあっさりヴェルナーの手から離れた。

中には踊る人形みたいなのもあったので「制作陣のお茶目? いやまさかなぁ」と思ったりもしたそうな。


ちなみに遺跡では隠し部屋が出現し、お宝(へそくり的な)ものが見つかったそうな。

同じ暗号で書かれている本があり、何かと思ったら黒歴史系の日記であることが分かったとか。古代人も大して変わらんのな。とヴェルナーは思ったとか。


文章は下記を想定。

Four from the right, three from the left, two from the right. Finally, pull the sixth one from the right.

ドーナツ